メンタルケア

PTSDと複雑性PTSDの違いについて

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この記事の3つのポイント

  • PTSDと複雑性PTSDの違いをやさしく解説
  • 自分の状態に合ったケアや治療を考えるヒントに
  • 一人で抱え込まず、カウンセリングなど支援につなげる大切さを紹介

「PTSD」という言葉を耳にしたことはありますか?最近では「複雑性PTSD」という言葉もよく聞かれるようになってきました。
なんとなく「トラウマが原因なのかな」と感じていても、はっきりとした違いがわからないと、不安になりますよね。
この記事では、PTSDと複雑性PTSDの違いをやさしく説明しながら、「自分にあてはまるかもしれない」と感じた方が、少しでも安心できるような内容をお届けします。

🌪 どんな経験が原因になる?

  • 交通事故や自然災害
  • 犯罪、暴力、性的被害
  • 戦争体験や突然の死別
  • 一度きりでも非常に強いストレス体験

🧠 主な症状

症状カテゴリ内容
フラッシュバック映像のように体験が突然よみがえる
悪夢同じような恐怖の夢を見る
過覚醒常に緊張して眠れない、驚きやすい
回避行動思い出すのが怖くて場所や人を避ける
解離現実感が薄れたり、記憶が途切れることがある

🔍 特徴まとめ

  • 脳と体が「常に危険に備えている状態」
  • 日常生活に強い支障が出ることもある
  • 原因がはっきりしていることが多い

複雑性PTSDとは

🌪 どんな経験が原因になる?

  • 子ども時代からの虐待や家庭内暴力
  • 長期間のいじめ・パワハラや支配関係
  • 性的・身体的な暴力が繰り返される環境
  • 助けを求められない閉ざされた状況での苦しみ

🧠 主な症状

症状カテゴリ内容
PTSDの基本症状フラッシュバック、悪夢、過覚醒、回避、解離など
自己否定感「自分には価値がない」と強く感じる
感情のコントロール困難怒り、恐怖、不安が急にあふれることがある
人間関係の困難他人を信じられない、距離感がわからない
空虚感・無力感「生きている意味がない」と感じることもある

🔍 特徴まとめ

  • 心の深い部分が傷ついている状態
  • 長期にわたる「見えない支配や痛み」が原因
  • 日常的な安心感や人とのつながりが難しくなる

✅ PTSDと複雑性PTSDのちがい(一覧表)

比較項目PTSD複雑性PTSD
トラウマの種類一度きりの強い体験長期・繰り返しの体験
主な症状フラッシュバック、悪夢、過覚醒、回避、解離PTSDの症状+自己否定、感情の不安定、人間関係の困難
原因の傾向急な事故・災害・事件など虐待・家庭内暴力・長期間のいじめなど
心への影響危険に備え続けるような状態自己像や人間関係、人生観にも深い影響

Aさん(PTSD)

30代の女性。ある日、運転中に大きな交通事故に巻き込まれました。それ以降、事故の音が何度も頭に浮かび、車に乗ることができなくなりました。夜も眠れず、街中のクラクションの音だけで過呼吸になってしまいます。

Bさん(複雑性PTSD)

40代の男性。子どもの頃から、両親から否定的な言葉を繰り返し浴びせられてきました。「お前はダメな子だ」と何度も言われ、自分には価値がないと思い込むようになりました。大人になっても、人を信用できず、感情が不安定になりやすいと感じています。

PTSDも複雑性PTSDも、どちらも心が深く傷ついている状態です。

でも、症状のあらわれ方や、必要なサポートは少しずつ違います。

違いを知ることで、自分の状態をより正確に理解し、今後どんな治療や支援が合うのかを考える手がかりになります。「自分が悪いんじゃない」「治らないんじゃないか」という不安を和らげるきっかけにもなります。

心の傷は、目には見えません。だからこそ、「誰かに話すこと」がとても大切です。

カウンセリングを受けるのは、弱いからではありません。それは、自分を守るための勇気ある一歩です。

話すことが苦手でもかまいません。まずは「今つらい」と伝えるだけでも十分です。信頼できるカウンセラーや支援機関に、少しずつ心を開いてみませんか。

💡 カウンセリングについての詳細や、全国の支援機関を知りたい方は、厚生労働省のこころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)も活用できます。

PTSDも複雑性PTSDも、「心ががんばって自分を守ろうとした」サインです。

もし、自分にあてはまるかも…と思ったときは、どうか自分を責めないでください。少しずつ、自分のペースでいいんです。心のケアは、時間がかかることもありますが、かならず希望はあります。

あなたのつらさには、理由があります。そのことを、どうか忘れないでいてくださいね。

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