適応障害・うつ病

【体験談】フラッシュバック対策に漢方薬を処方された話―四物湯と桂枝加芍薬湯、2週間使ってみた感想

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「また、あの場面が頭に浮かんでくる」「夢の中でも苦しめられる」――トラウマによるフラッシュバックは、本当につらいですよね。

先月、予期せぬ出来事がきっかけで、私のフラッシュバック症状が一気に悪化してしまいました。毎日見ている悪夢の内容が変わり、以前は知らない人が登場していたのに、すべてが過去のつらい出来事に関連する内容になってしまったんです。

日中も、四六時中そのことで頭がいっぱい。24時間苦しめられているような状態で、ベッドから起き上がることさえ難しくなりました。

主治医にこの状態を伝えたところ、「フラッシュバックを減らすために」と、2種類の漢方薬を処方してもらいました。今回は、その2週間の使用体験をシェアしたいと思います。

処方された漢方薬

今回処方されたのは、以下の2種類です。

1. ツムラ四物湯エキス顆粒(しもつとう)

血の巡りを良くする漢方薬で、主に以下のような症状に使われます。

  • 貧血傾向
  • 冷え症
  • 月経不順
  • 産後・流産後の疲労回復
  • 顔色が悪い、肌が乾燥している

どんな人に向いている?
顔や皮膚の色艶が悪く、体が枯燥している(乾燥している)タイプの人に適しているとされています。漢方では「血虚(けっきょ)」という状態を改善する基本的な処方です。

2. ツムラ桂枝加芍薬湯エキス顆粒(けいしかしゃくやくとう)

主に腹部の症状に使われる漢方薬です。

  • 腹痛
  • しぶり腹(お腹が張って痛い、でもすっきり出ない状態)
  • 過敏性腸症候群

どんな人に向いている?
体力が中等度以下で、腹部の緊張や痛みがある人に適しているとされています。

なぜこの2つが処方されたのか?

うつ病やトラウマの治療で漢方薬が処方されることに、最初は少し驚きました。でも、調べてみると、この2つの組み合わせは「神田橋処方」と呼ばれる、フラッシュバック治療の定番処方だったんです。

神田橋処方とは?

精神科医の神田橋條治先生が発見した処方で、精神科医の間では広く知られている治療法です。

対象となる症状:

  • PTSDのような重度のフラッシュバック
  • 日常的な傷つき体験によるフラッシュバック
    • 職場での叱責やパワハラ
    • 友人同士の喧嘩
    • 学校での心無い一言
    • など、突然つらい出来事が湧き出るように思い出される症状

つまり、「重大なトラウマ」だけでなく、日常生活での傷つき体験によるフラッシュバックにも効果があるとされているんです。

どのくらいの人に効くの?

専門医の報告によると、効果がある人は約3〜5割だそうです。すべての人に効くわけではありませんが、効果がある人には本当に効果が出る処方のようです。

また、効く方の場合、2週間位でフラッシュバックの頻度が減ってくるとのこと。まさに私が今、体験している変化そのものでした。

心と体のつながり

漢方薬は、「心と体のつながり」を重視する東洋医学の考え方に基づいています。

うつ病やトラウマがあると、以下のような身体症状が現れることがよくあります。

  • 自律神経の乱れによる腹痛や胃腸の不調
  • 血の巡りが悪くなることによる冷えや倦怠感
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 慢性的な疲労感

フラッシュバックそのものを直接抑える薬ではないのですが、体全体のバランスを整えることで、精神的な症状も和らぐという考え方なのだと理解しています。

2週間使ってみた感想

薬局でのエピソード

処方箋を持って薬局に行ったとき、薬剤師さんから「フラッシュバックが強いのですか?」と聞かれました。

この2つの漢方の組み合わせを見て、薬剤師さんはすぐに「神田橋処方だ」と理解したようです。精神科領域では有名な処方なので、医療関係者の方は「この組み合わせ=フラッシュバック治療」とピンとくるんですね。

私には、?はてなしか浮かばなかったんですが、なるほどって感じですね。

さて、実際に2週間使ってみた感想です。

良かった点

1. フラッシュバックの頻度が減ってきた

これが一番大きな変化です。以前は本当に四六時中、過去のつらい出来事が頭に浮かんできて、何も考えられない状態でした。

でも、2週間飲み続けた今、その回数が明らかに減ってきているように感じます。完全になくなったわけではありませんが、「あ、今日はそんなに思い出さなかったな」と思える日が増えてきました。

2. 少しずつ動けるようになった

症状が悪化してからは、ほぼベッドで寝たきりの状態でした。起き上がることさえ億劫で、トイレに行くのも一苦労。

でも、最近は室内で少しずつ行動できるようになってきました。リビングに座っていられる時間が増えてきました。

まだ室内で1日活動できる程になったわけではありませんが、「少し良くなってきているかも」と感じられることが、何より安心材料です。

気になる点・課題

1. 苦味がある

漢方薬特有の苦味があります。正直、美味しくはありません。

でも、飲めないほどではないです。私は水で一気に流し込んでいます。人によっては、オブラートに包んだりして飲んだりするのもいいかもしれません。

2. 飲み忘れが多い

朝晩の食前に飲むように指示されているのですが、これが意外と今の私には難しい。

食事の準備を始めてから「あ、薬飲んでない!」と気づくことがしょっちゅうです。

対策として考えていること:

  • ダイニングテーブルの目につく場所に薬を置く
  • 妻の声掛けをお願いする(ご家族やスマホのリマインダーでもOKだと思います)

3. 原因不明の症状がある

最近、以下のような症状が気になっています。

  • 背中の痛み(1日中リビングで座っているせいかもしれません)
  • 舌っ足らずな感じ
  • 言葉が出にくい、ゆっくりしか話せない

これが薬の副作用なのか、うつ病の症状が悪化して出ているのか、正直わかりません。

主治医には次回の診察で相談するつもりですが、今のところ日常生活に大きな支障はないので、様子を見ています。

漢方薬を使う上で知っておきたいこと

効果が出るまでに時間がかかる

漢方薬は、西洋薬のように即効性があるわけではありません。体質を少しずつ改善していくものなので、数週間から数ヶ月かけて効果が現れることが多いそうです。

2週間でこれだけ変化を感じられたのは、私にとっては予想以上でしたが、もう少し長く続けることで、さらに良くなるかもしれません。

体質に合わないこともある

漢方薬は「誰にでも効く万能薬」ではありません。その人の体質や症状に合わせて処方されるものなので、合わない場合もあります。

以下のような症状が出た場合は、すぐに医師に相談してください。

  • 食欲不振、吐き気、嘔吐
  • ひどい下痢や腹痛
  • 発疹、かゆみ
  • 体のだるさが増す
  • めまい、動悸

副作用はゼロではない

「漢方薬は自然由来だから安全」と思われがちですが、副作用がないわけではありません。

主な副作用として報告されているのは、胃腸症状(食欲不振、胃部不快感、下痢など)です。また、まれに肝機能障害などの重篤な副作用が起こることもあります。

何か異変を感じたら、我慢せず医師や薬剤師に相談することが大切です。

飲み合わせに注意

他の薬やサプリメントとの飲み合わせによっては、効果が弱まったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。

現在服用している薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。

今後も続けていく?

正直なところ、まだ2週間なので、これからどうなるかはわかりません。

でも、少なくとも今のところは、良い変化を感じられているので、しばらく続けてみたいと思っています。

フラッシュバックの頻度が減って、少しずつ動けるようになったことは、大きな前進です。さらに動けるようになるまでには、まだまだ時間がかかるかもしれませんが、「少しずつ良くなっている」と実感できることが、希望につながっています。

次回の診察では、気になる症状について相談して、このまま続けるか、量を調整するか、主治医と一緒に考えていきたいと思います。

まとめ

トラウマによるフラッシュバックが悪化したとき、「神田橋処方」という漢方薬の治療法があることを知りました。

この処方は、精神科医の神田橋條治先生が発見したもので、PTSDだけでなく、日常的な傷つき体験によるフラッシュバックにも効果があるとされています。

2週間使用してみた結果:

◯ フラッシュバックの頻度が減ってきた(効果がある人の典型的なパターン)
◯少しずつ動けるようになった
△ 苦味があり、飲み忘れやすい
△ 原因不明の症状が少しある

神田橋処方について:

  • 四物湯+桂枝加芍薬湯の組み合わせ
  • 効果がある人は約3〜5割
  • 効く場合、2週間ほどで効果が現れ始める
  • 精神科領域では広く知られている治療法

漢方薬は、すぐに劇的な効果が出るものではありませんが、体全体のバランスを整えることで、精神的な症状も和らげてくれる可能性があります。

もし、うつ病やトラウマの治療がなかなか進まず困っている方、特にフラッシュバックに悩まされている方がいたら、主治医に「神田橋処方を試してみたい」と相談してみるのも一つの選択肢かもしれません。

大切なのは、自分に合った治療法を見つけること。

焦らず、主治医と相談しながら、自分のペースで回復への道を進んでいきましょう。


※この記事は私個人の体験を基にしており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

※漢方薬の効果や副作用には個人差があります。服用を検討される場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

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