適応障害・うつ病

保険不要派の50代が、うつ病療養中に気づいた「2つの自己負担」と備え方

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「保険なんていらない」

ずっとそう思っていました。高額療養費制度があるし、傷病手当金もある。民間保険に毎月何千円も払う必要は無いと思っていました。

でも、うつ病になってから少しだけ考えが変わりました。

保険が必要になったわけではありません。 今でも「医療費のために保険に入る」という発想はありません。 ただ、公的制度では完全には守れない 2つの穴 が気になり始めたのです。

① 入院時の差額ベッド代 ② 自分の「終い」の費用


最適解は人それぞれ違います。ただ、私の最適解はこれです。 すでに保険に入っている人も、50代は見直しの好機だと思います。

保険不要派の基本:国の制度で守れる部分は保険に頼らない

まず前提として、私の立場を整理します。

●医療費は高額療養費制度で十分

日本では、月の医療費が一定額を超えると、超えた分は戻ってきます。 年収約370〜770万円なら、月の自己負担上限は約8〜9万円です。

治療費のために民間保険を買う理由は薄いと考えています。

●特約は基本、不要

  • 先進医療特約
  • 入院一時金
  • がん特約

こうしたオプションは確率が低く、 過剰な不安にお金を払い続ける構造になっています。
保険外の治療を求める人や延命を考えている人には私の考えは合わないと思うので、ここで離脱される方が良いと思います。

私には例外が2つあります。


私が保険で備えることにした「2つの穴」

1. 差額ベッド代(心の安定を守るため)

高額療養費制度は 差額ベッド代 をカバーしません。

  • 一般病棟:5,000円/日
  • 個室:13,000円/日 差額:1日 8,000円

うつ病で心が弱っているとき、普通の病気で入院した場合、大部屋の雑音や他人の気配に耐えるのは拷問に近いものがあります。うつ病である今、人に会うことも話すこともストレスなのに、他人と一緒に生活ができるのでしょうか。。。

さらに老後は入院リスクが上がります。 だから医療保険は「終身」にして、 死ぬまで個室代を確保することにしました。うつ病がいつ寛解するかわかりませんからね。

2. 死亡保障(自分の「終い」のために)

妻に相談したところ、「私も死亡保険に入っていないし、あなたも入らなくていい」と言われました。

でも、私の考えは少し違います。

どちらが先に亡くなっても、「終い」は必要です。 部屋の片付け、退去費用、手続き代行。誰かに迷惑をかけないためには、最低限の資金を残しておく必要があります。

  • 直葬:20〜30万円
  • 永代供養:数十万円
  • 死後事務委任(片付け・手続き代行):50〜100万円

合計で200万円あれば、最低限の「終い」ができます。

将来、死後事務委任を関連企業に頼むのか、弁護士に依頼するのかはまた考えます。 今は「資金を確保しておく」ことが目的です。

だから 「80歳までの定期保険」 を選びました。 満了まで保険料が変わらないタイプです。


うつ病でも加入できるのか?(引受基準緩和型)

私はうつ病で通院中です。 一般の医療保険はまず通りません

しかし引受基準緩和型保険なら可能性があります。

告知項目(例:オリックス生命)

  1. 過去3ヶ月以内に入院・手術・検査を勧められたか
  2. 過去2年以内に入院・手術歴はあるか
  3. 過去5年以内にがん・重度精神疾患の診療歴はあるか

うつ病は対象外です。 指定期間内に入院歴がなければ審査に通ります。


私がたどり着いた「可変型の最強設計」

条件

  • 医療保険:終身、差額ベッド代が出る額
  • 死亡保険:80歳満期の定期。「終い」の資金として確保
  • 予算:月1万円以内

医療保険:終身で固定(個室代を確保)

商品名保険会社内容月額保険料
新メディフィットRe(限定告知型終身医療保険)メディケア生命入院給付金 10,000円/日(終身)4,530円

差額ベッド代負担を軽減するために確保します。

死亡保険:80歳満期で柔軟に(自分の「終い」のために)

商品名保険会社内容月額保険料
引受緩和型定期保険はなさく生命死亡保険金 200万円(80歳満期)5,472円

「終い」の資金として確保しておく形です。

※SBIいきいき少短も検討しましたが、5年毎に保険料が上がる仕組みのため、80歳満期まで保険料が変わらない「はなさく生命」を選びました。

【重要】死亡保険は本当に必要か?投資との比較

正直に書きます。

保険料の総額:5,472円 × 12ヶ月 × 26年 = 約170万円

200万円の死亡保険金に対して、払う保険料が170万円。差額はわずか30万円です。

同じ月5,000円を投資に回した場合:

年利26年後の資産
3%約230万円
5%約300万円
7%約400万円

数字だけ見れば、投資の方が合理的です。

それでも保険を選ぶ理由があるとすれば:

  1. 確実性:投資は増えるかもしれないが、減るかもしれない。保険は死ねば確実に200万円出る
  2. 強制力:投資は「今月は厳しいから…」と崩しがち。保険は引き落としで強制的に続く
  3. 早死にリスク:55歳で亡くなったら、投資はまだ数十万円。保険なら200万円

結論:

  • 貯蓄・投資を継続できる人 → 死亡保険は不要。投資に回す方がいい
  • 貯蓄が苦手、使ってしまう人 → 保険の「強制貯蓄」機能に意味がある
  • 「いつ死ぬかわからない」不安が強い人 → 保険で確実性を買う

私はNISAも貯蓄も多くないので、保険という形にしました。


合計プラン(54歳・2026年加入)

目的商品保障内容月額保険料
医療(終身)新メディフィットRe入院 10,000円/日4,530円
死亡(80歳満期)はなさく生命死亡200万円5,472円
合計10,002円/月

月1万円以内で、実務的な備えが完成しました。


将来の状況変化にも対応できる

定期保険を選んだ理由

終身死亡保険ではなく、80歳満期の定期保険を選んだのは、柔軟性を重視したからです。

  • 不要になったら解約できる(解約返戻金がないので「損した」感覚がない)
  • 80歳以降は保障が終わるが、それまでに「終い」の準備ができていればいい

200万円の使い道:「終い」の費用

  • 直葬・永代供養
  • 部屋の片付け
  • 賃貸の退去費用
  • 死後事務委任(手続き代行)

「迷惑をかけないための資金」を確保しておく。 これが死亡保険の目的です。


引受基準緩和型は、本当に給付されるのか?

結論:されます

  • がん・肺炎など他の病気 → 対象

※私が選んだ保険の場合、最初の1年間は給付金が50%に削減されます。ただし、1年目から満額給付される商品もあります。加入前に確認してください。


まとめ:うつ病治療中でも合理的に備える

私の結論は明確です。

  • 医療保険は終身 差額ベッド代を確保するため
  • 死亡保険は80歳満期の定期 「終い」のために200万円。

終身死亡保険のように 「解約したら損」という縛りはありません。

保険に入るのは目的ではありません。 自分の「終い」を、誰にも迷惑をかけずに済ませるための道具です。

必要な時に必要なだけ。 不要になったら手放す。

これが、 うつ病治療中の50代がたどり着いた、 最小で最大の保険の使い方です。


高額療養費制度の図解(基礎理解)

【公的医療の支払い構造】

┌──────────┐
│ 医療費(100%)│
└─────┬────┘
      │ 健康保険で70%カバー
      ▼
┌──────────┐
│ 患者負担:30%   │
└─────┬────┘
      │ 上限あり(月8〜9万円目安)
      │(高額療養費制度)
      ▼
【国が治療費の天井を守っている】

※ 差額ベッド代はここに含まれない(全額自己負担)

差額ベッド代を民間保険で補う── これが本プランの意図です。


よくある質問

Q1. うつ病で精神科入院したら給付は出ますか? → 精神疾患(入院)を対象外にしている保険は多いです。事前に確認が必須です。

Q2. 入院日額10,000円で足りますか? → 最近の個室代は1万円以上が多いので不足する場合があるかもしれませんが、全額自己負担するよりは多少マシです。

Q3. 死亡保険200万円の使い道は? → 私の場合、直葬・永代供養・死後事務委任(部屋の片付け・手続き代行)に使います。家族に残すという考えがお互い無いのと、子供が居ないため生活できるようにという考えは私たちの場合には当てはまりません。

Q4. 保険料が払えなくなったら? → 死亡保険から縮小します。医療保険は終身なので基本維持します。

Q5. 延命治療を望まない場合、保険は必要? → 医療保険の目的は「差額ベッド代のみ」です。延命とは無関係です。


※本記事の保険料・プランは2024〜2025年時点の概算であり、年齢・性別・商品改定により異なります。詳細は各保険会社の公式サイトをご確認ください。

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