身近な人がしんどい時、何を言えばいいのだろう

メンタルケア

つらそうな人から、消えたいという言葉を聞いたとき。

頭の中が真っ白になって、何か言わなければと焦ることがありませんか。

元気を出してほしくて頑張ってと励ましたり、外へ出れば少し変わるよと気分転換を勧めたり。

自分なりに力になりたいからこそ、言葉を急いで探してしまうのだと思います。

でも、相手が深く疲れているときは、言葉を早く渡すことが支えになるとは限りません。

必要なのは、解決策より先に、ここなら話せる、一人ではないと思える時間なのかもしれません。

9月10日から16日は、こころの健康と身近な人への関わり方を考えたい一週間です。

励まそうとしない

大切な人が苦しんでいると、何とか前を向いてほしいと思うことは自然なことです。

ただ、心のエネルギーがすり減っているとき、励ましは相手にもう少し頑張らなければという負担として届くことがあります。

気分転換も同じです。

普段なら好きなことでも、今は楽しむ力が残ってなくて、かえって疲れや、応えられない自分へのつらさを増やしてしまう場合があります。

だから最初に目指したいのは、元気にさせることではありません。

話してくれたことを受け止めることです。

そう感じるほど苦しいんだね。

話してくれてありがとう。

こんなふうに、相手が言ったことを打ち消さず、そのまま受け止めます。

気の利いた一言を探す必要はありません。

すぐに答えを出さなくても、そばにいる姿勢は伝わります。

相手が黙ってしまったときも、沈黙を埋めようとしないでください。話

したくなったら聞かせてね、

と伝えて待つ時間にも意味があります。

厚生労働省のこころの耳も、無理に聞き出さず、本人が一番言いたいことを理解しようとする姿勢を大切にしています。

正論よりも、つらさを否定しないこと

私たちは心配になると、考え方を変えさせようとしがちです。

家族がいるのだから、そんなふうに考えないで。

まだできることはある。

みんな心配している。

どれも大切に思うからこその言葉ですが、追い詰められている人には、気持ちをわかってもらえなかったという孤立感につながることがあります。

相手の考えに賛成する必要はありません。

それでも、そう思うほどしんどいのだと受け止めてください。

なぜそんなことを言うの、と理由を問い詰めるより、

最近ずっとつらかったのかな、一人じゃないから、と声をかけるほうが会話の入口になることがあります。

言葉を選ぶなら、相手を評価せず、自分の気持ちをそのまま伝えるほうが自然です。

大丈夫と断言するより、そばにいるよ。

こうした短い言葉のほうが、今の相手には届きやすいかもしれません。

自分が何とかしなければと背負い込みすぎず、話を聴くこと自体が大切な関わりだと覚えておいてほしいです。

聞く側も、うまく答えられない自分を責める必要はありません。

何と言えばよいかわからないけれど、あなたのことを心配している。

このように、誠実に伝える方法があります。

相手の痛みを完全になくすことはできなくても、ひとりで抱え込まずにすむ関係はつくれます。

だからこそ、その場で一緒にいられることには大きな意味があると思います。

大きな言葉より、連絡を返す、一緒にお茶を飲む、次の日にもう一度様子を聞く。

その続きがあることが、安心につながることもあります。

結論を急がない

私自身、うつと付き合う中で、考えが最悪の方向へ引っぱられる時間があります。

そのときは、頭の中に浮かぶ答えが唯一の正解のように見えてしまいます。

でも、少し眠れた日や誰かと話せた日の自分は、同じことをまったく違って受け止めることがあります。

心の不調が強いときは、悲観的な考えだけが浮かび、ほかの選択肢が見えにくくなることがあります。

だから私は、そんなときに大きな結論を出さないと決めています。

その考えを現実の行動に移さず、まずは深呼吸をして、落ち着かせることを最優先にします。

冷静になるまで待つことは、自分を守るための時間だと思います。

身近な人に対しても、今すぐ人生の答えを出す必要はない、と伝えることです。

明日のことも、仕事のことも、関係のことも、今夜すべてを決める必要はありません。

まずはこの数十分を一緒に過ごすことが、目の前の時間を越える助けになることがあります。

ひとりで抱えない形をつくろう

話を聞いた人が、相談先につなぐ役を担うこともできます。

ただし、無理に連れて行こうとしたり、すぐに答えを出すよう迫ったりする必要はありません。

今日は誰かに話せそうか、病院に相談するなら一緒に調べるから、明日また連絡してね。

そんなふうに、相手が選べる余地を残して声をかけると、自分のペースを取り戻しやすくなります。

本人が話すことに抵抗を感じているときは、家族や身近な人が先に相談して、接し方を聞くこともできます。

ひとりの人に支える役が集中すると、聞く側も疲れ切ってしまいます。

信頼できる家族、友人、医療者や相談員とつながり、支えを分けていきましょう。

秘密を守ることは大切ですが、安全が心配なときまで二人だけで抱え込まないことも同じくらい大切です。

参考資料

[1]: https://www.gov-online.go.jp/data_room/calendar/202609/event-4493.html 政府広報オンライン 2026年9月の週間行事[2]: https://kokoro.mhlw.go.jp/families/ 厚生労働省 こころの耳 ご家族にできること[3]: https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/ 厚生労働省 電話相談窓口

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